
2009年のチャンピオンシップも全戦が終了して、各カテゴリー、各クラスのシリーズチャンピオンが確定。何よりも嬉しいニュースは、シーズン直前には250ccクラスからのKTMワークス撤退でシートを失いかけた青山博一のチャンピオン獲得。今年の青山には、レース毎に本当に驚かされた。高いライディングスキル、頭脳的なレース運び、そしてメンタルの強さ。どの要素を取っても、今年の250ccクラスのNo.1だった。
来期は晴れてMotoGPクラスへスイッチ。サテライトチームながら、エンジンに関するレギュレーションが厳しくなる来期は、ワークスマシンとの性能差が小さくなる可能性もあり、RC212Vのライディングを着実にモノにすれば表彰台も夢ではないと思う。

今シーズン、青山と共に250ccクラスの4強を形成した、マルコ・シモンチェリ、アルバロ・バウティスタ、エクトル・バルベラの3名も、揃ってMotoGPクラスへステップアップするけど、SUZUKIとDUCATIサテライトでは戦闘力に不安があるから、ステップアップ組での青山のライバルは、やはり同じRC212Vをライディングするシモンチェリ。ライディングの適性から言ってもこの2名の活躍に期待したい。

MotoGPクラスの年間王者は今年もバレンティーノ・ロッシ。WGPで9度目、最高峰クラスだけで7度目のチャンピオン獲得に、他のライダーはぐうの音も出ない印象。欠場によりチャンピオン争いから離脱したケーシー・ストーナーは置いておくとして、過去最も王者ロッシに近づいたホルヘ・ロレンソも、イカロスのごとく力尽き、ランキング2位に終わった。

バレンティーノ・ロッシのライディングの強みはセイフティと柔軟性。もはや速さではストーナーやロレンソに分があるものの、極端にミスが少なくて、レーストータルのラップタイムを短縮する技術が未だに図抜けている。ラインを変更してもタイムを落とさず、レースを俯瞰する力で常に先を読みながら走り続けられるのは、ロッシだけの特殊能力だという気もする。ただ、ロッシの予測を超える速さを見せたロレンソには動揺も見せたから、来シーズン、ロッシ包囲網が更に厚くなった時に、リズムを保ち続けられなくなるかもしれない。

そんなロッシ包囲網の一員になりそうなのが、2009年のSBKチャンピオン、ベン・スピース。走り方もインタビューの受け答えを見ても、真意を量り損ねる不思議な存在感。現役のGPライダーにはいない飄々としたキャラクターで、いざ走ると想像以上に器用で、想像を超えて速い。熱さと冷静さが共存していて不気味ですらある。

MotoGP最終戦のバレンシアにワイルドカード参戦したスピースは、フリープラクティスから予選に掛けて、驚異的なスピードでYZR−M1に適応。ほんの数時間乗っただけのマシンで予選9位を獲得しただけでなく、決勝でも次第に乗り方をアジャストしてペースアップ。歴戦のランディ・ド・プニエやデ・アンジェリス、HONDAワークスのドヴィツィオーゾまでパスして、最終的には7位でフィニッシュしてしまった。

決勝序盤はリズムが悪くて、ラインを外すことが多かったものの、TV画面で確認出来るほどハッキリとライディングを調整し続けて、レース終盤にはSBKのライディングにほぼ近付いた。回り込んだコーナーでは、深い進入から小さく旋回して早めに加速開始。逆に、S字区間では高いコーナリングスピードで前後輪を路面に押し付けて、ドリフト寸前のコントロール。並みのライダーであればロデオになってしまう所を、全く危なげなく走り続けられるのは、前後左右への荷重コントロールの上手さと、タイヤの接地面に対するセンサー能力の高さに拠るもの。この辺り、バレンティーノ・ロッシに通じるものがある。
スピースのファーステストラップは決勝最終ラップの30週目に記録。ペドロサのラップタイムからは1.2秒落ちだけど、既に中位グループより速いのだから恐れ入る。ロッシはスピースについて、現行のMotoGPバイクは250ccクラスと同様のライディングが必要で、スーパーバイクからの乗り換えに苦労するだろうと発言していたから、ロッシの予測を超える能力を持っていた事になる。
来シーズン、スピースが4強に迫る走りを見せるのはほぼ間違いないと思うし、SBKへのスポット参戦であれだけの走りを見せたシモンチェリにも期待大。そしてシモンチェリと対等に渡り合った青山にも。
DUCATIのプロジェクトリーダー、リビオ・スッポのHRCへの移籍から、何となく今後数年の動きが見えてきた気もするし、2010年シーズンもMotoGPは盛り上がりそう。


Technixさんにメンテナンスしてもらったフロントフォークを装着した後、3年以上使ったPROGRESSIVEのヘタリが気になって仕方ないので、思い切ってリアサスペンションも交換する事に。
リアサスの交換は以前から予定していて、散々迷った後、当初予定していたのはbitubo。ただ、ここ最近リア下がりの症状で曲がり辛くなった事で、これまで使っていたRD400用の自由長330mmより更に長いサスペンションを試したい気持ちが大きくなっていたので、ブランドを変更する事にした。
スーパースポーツならまだしも、SRにWPやOHLINSの様な高価なパーツは無用だと考えているから、なるべく安価でセッティングの幅のある製品を物色。最終的に選んだのはタイのサスペンションメーカーYSS。決め手はオプション料金無しで自由長のカスタムが可能な点で、Z302シリーズのSR400用を自由長340mm指定でオーダーした。

届いた製品を観察すると、タイ製という先入観を除いても、クオリティはそこそこという感じで、同価格帯のPROGRESSIVEと同程度。重量は左右で3kgジャストで、取り外したPROGRESSIVEが3.2kgあったから、調整機構を持っている割りには軽量。5万円のサスペンションながら、イニシャルだけでなく、リバウンドアジャスターと車高調整機能も持っていて、サスペンション側でアライメントが変えられるのが嬉しい点。これまでは突き出し変更でしか対応できなかったから、セッティングの幅は大きく広がりそう。
そう言えば、輸入元のPMCの商品画像では、イニシャルのプリロードアジャスターが一般的なロックナット式だったけど、手元に届いた現品ではシングルナット式に変更されていた。小さなHEXボルトで回り止めする方式で、調整は外周の穴にロッドを差し込んで回すだけ。見た目もスッキリしていて、僕は大歓迎。
色々と可動部分があるので、装着前に左右を揃えるべく調整。エンドアイの車高調整も左右で微妙に違っていたし、リバウンドアジャスターの位置も不揃いだったので、取り敢えず自由長+5mmの345mmに、リバウンドは60ノッチある内の30ノッチの位置にして取り付け作業開始。


これまでのPROGRESSIVEは、2006年にSRが納車された直後に取り付けて、以降リアサス周りはノーメンテ。フレーム側に若干錆が発生していたので、ショックを取り外した後、丁寧に清掃して磨いてからYSSを装着。唯一の心配がチェーンケースへの干渉だったけど、340mmでカスタムした全長+エンドアイも5mm伸ばした事で、ノーマルサス用に逃げがカットしてある箇所にほぼ収まったので一安心。僅かに干渉しているけど、ペンチで少し内側に捲れば解消出来そう。
本当は車高測定しながら作業しようと思ったけど、レースに出る訳じゃないし、前後のバランスは走ってみないと決められないから、取り敢えず装着して、フロントの設定はそのままで試走してみた。
リヤの車高はグッと上がってスポーティ。直線でハンドルを振った感じでは、フロントが低すぎる印象はなくて、軽く交差点を曲がる分には切れ込みも無くて違和感は無し。肝心の動作は極上では無いけど、当初突っ張った印象の強かったPROGRESSIVEよりスムーズ。リバウンドのダンピングは30ノッチで取り付けて、シートを押した感じで50ノッチまで増やしておいたけど、実際の走行でもほぼジャスト。リヤタイヤが路面から吸引されている様な安定感は久し振り。
少しペースを上げてハードブレーキから旋回しようとしたら、リヤが入らなくてブレーキをリリース出来ず。やはりフロントを沈めてから曲がる様な走り方をするには、フロントが低い印象だったので、自宅に戻って突き出しを10mm戻してみた。車高の変化に合わせて、リバウンドアジャスターも5ノッチ戻してみたけど、今日はここで時間切れ。
明日以降、少しずつ調整して、乗り易い設定を見付けようと思う。
<サスペンション>
[フロント]
スプリング:オーリンズ 8640−50
フォークキャップ:POSH イニシャルアジャスター2
フォークオイル:シルコリン FORK OIL(SAE30)
オイル量:270cc(規定量:208cc)
突き出し:10mm
イニシャル:最強(最も締め込んだ位置)
[リア]
サスペンションユニット:YSS SPORTS LINE リアツインショック Zシリーズ Z302
自由長:340mm(カスタムオーダー)
車高調整:+5mm(345mm)
イニシャル:スプリング長190mm
リバウンドアジャスター:45ノッチ/60ノッチ
--
走行距離:29,642km


だいぶ身体も動くようになったので、Technixさんから戻ってきたフロントフォークを装着してみた。
休暇に入った9月半ばにフォークを取り外した後、スピードメーターケーブルなんかをぶら下げたままにしていたら、その間の台風一過でグリスが流れてしまい、少し錆も浮いてしまったから、各パーツの清掃とグリスアップをしながら、のんびりと作業。今回は下記の通りセットアップ。
<サスペンション>
[フロント]
スプリング:オーリンズ 8640−50
フォークキャップ:POSH イニシャルアジャスター2
フォークオイル:シルコリン FORK OIL(SAE30)
オイル量:270cc(規定量:208cc)
突き出し:20mm
イニシャル:最強(最も締め込んだ位置)
--
走行距離:29,127km
今年の3月に突き出しを17mmに変更した後、もう少ししっくりさせたくて、結局20mmまで増やして乗っていたから、まずは取り外す前の仕様に戻した事になる。リヤサスペンションがくたびれてきて、乗車1Gでの位置が下がってしまった事に合わせるために突き出しを増やしているけど、本来はもう少し車高を上げた方がコントロールし易い。こればっかりはリヤサスをリプレイスしないと解決しないから、それまでの間は我慢。

Technixさんから戻ったフォークは、全バラの上で洗浄と研磨が行われていて、価格以上の仕上がり。アウターに付いた細かな傷までは消えないけど、作業の精度や内容から考えれば、適当なショップにメンテナンス依頼するより断然安心感がある。本来は現役のプロフェッショナル向けのサスペンションサービスだけど、でもレースをやっていた当時は、こんな贅沢なメンテナンスを依頼した事はなかったな。

今回は手元にあったシルコリンのフォークオイルを同梱してお願いしたけど、ちゃんと余ったオイルも戻してくれたし、消耗部品も返送してくれるので、この3年半でのフォークの消耗具合が良く分かる。粘度調整用の硬いオイルをストレートで使い続けていて、疲労度はノーマルセッティングの比じゃないから、もっとメンテナンスの頻度を上げるか、いっその事フォークそのものをスポーツバイク用に交換した方が良いんだろうね。
フォークの取り付けを完了して、ついでにチェーン、アクセル・クラッチワイヤー、スタンド類など各可動部全てに注油。SRに乗るのは3週間振りだから、タイヤのエア圧も点検してからゆっくりと試乗開始。
エンジンは愚図りもせずに始動して、久し振りに聞くエキゾーストノートにちょっと感動。時間を掛けて暖機してから走り出したら、ここ最近めっきり気温が下がった事もあって、吹け上がりは抜群に軽快。肝心のフロントフォークの動きは、1Gからの微細な動作域で良く動くなあという印象。ギャップを拾ってもガツンと来ずに往なしてくれる。ダンピングも甦って、直進安定性も回復。ただ、フロントのグレードが上がって、今度はリヤサスのへたり具合が余計に分かるようになってしまったのが困りもの。特に伸び側のダンピングが効かなくなっていて、ブレーキングに難しさがある。
折角フロント側をリフレッシュしたから、近々に伸び側ダンパーの調整が可能なリヤサスに交換しようかな。


トヨタが10月の東京モーターショーに出展する、噂のハチロク「FT−86コンセプト」。
一目見て、純粋にカッコいいそのプロポーション。HONDAのS2000ばりにフロントのオーバーハングは短いし、2000ccながら水平対向エンジンのお陰でノーズ自体もかなり短め。リヤのオーバーハングも短くて、純然たるスポーツカーの採るディメンション。勿論、この形のまま発売されるかどうか疑問だけど、200万円程度で販売される入門車、つまり1台しか所有しないユーザー向けとしては、かなり思い切った構成だと思う。
大手メーカーがエコカーばかりじゃなくスポーツカーを販売する事は、個人的にはウエルカム。クルマ好きの若者を増やすには、こういったスポーツカーは不可欠だと思うし、スポーツカーは思い出を演出するフィーリングも大切だから、エンジンは本来の水平対向型であるボクサーエンジンなら余計に面白い。
ただし、長らくユーザーが待ち侘びていたのは、敢えてFRレイアウトで発売された元祖ハチロクと同じく、もっとコンパクトでライトウエイトでシンプルな構成のクルマのはず。MAZDAが初代ロードスターを発表して皆が飛び付いた時が、一番売れるタイミングだったんだろうけど、当時のTOYOTAでは企画すら通らなかったはず。その後、おかしなタイミングでアルテッツァを発表して、コントロール性優先の4気筒モデルをトップグレードにするという狙いは面白かったけど、ニーズとはかけ離れていて寂しく生産終了。海外市場の嗜好は置いておくとして、今頃になってこの構成のクルマに「ハチロク」と名付けて発表されても、売れる売れないの前に、TOYOTAに期待するユーザーを裏切ってしまった気がしてならない。そもそも、長期間AE86に代わるモデルを提示せずにユーザーを待たせ過ぎた結果、もはやニーズ自体が消滅してしまった気もする。
今更リジットアクスルのクルマは販売出来ないだろうけど、アライメントが取り易くて、ぶつけても自家板金出来そうなシンプルな面構成のボディ形状で、水平対向じゃなくて直列でいいから丈夫で長持ちするエンジンで、ミッションなんかも耐久性があって、内装はチープでも全然構わないみたいな。
ガンガン走って本当に上手になりたいドライバーには、今でもそんなクルマが望まれてるんだと思うんだけど、いつまで待っても期待薄なのかもしれない。
このクルマの為の新工場建設も予定されていたみたいだけど、「見た目そこそこ立派なクルマをリーズナブルな価格で提供します」という田舎臭いTOYOTAの商売に乗っけて、おかしなコピーをぶら下げて売ろうとすると、この「FT−86」は大失敗すると思う。


スーパーバイク世界選手権シリーズもシリーズ終盤。前戦ドイツの第2レースで、ポイントランキングトップだった芳賀紀行にTen Kate HONDAのジョナサン・レイが接触して転倒。レイは優勝、芳賀はリタイヤする事になって、結果、死守してきたランキングトップの座を、YAMAHAのベン・スピースに譲り渡してしまった。
今シーズンのスピースの強さから考えて、ちょっと絶望的な気分で観始めた第13戦イタリアラウンドの映像内に突然マルコ・シモンチェリの姿が。ハンガリーGPキャンセルに伴うブレーク期間中にApriliaが今回のSBK参加をお膳立てしてくれたんだろうけど、何も情報が無かったのでちょっと吃驚。そして決勝の走りにはもっと吃驚させられた。
予選4位の芳賀選手の真後ろ、2列目となる予選8位を確保したものの、スタートで出遅れた第1レース。マックス・ビアッジが終盤までトップを死守し、DUCATIワークスの2台がそれを追い掛ける展開に、シモンチェリの走りはなかなか映像に出てこなかったものの、映像が切り替わった瞬間、今期好調のレオン・ハスラムを、最終シケイン進入のブレーキングで鮮やかにパス。まるで周回遅れを抜き去るかの様なスピード差にはシビれた。残念ながら、その後のコーナーでスリップダウンして、第1レースはリタイヤしてしまったけど、SBKの猛者達にGPライディングの片鱗を見せ付けて第2レースへ。

そして第2レース。まずまずのスタートで予選順位をほぼ維持した9番手に付け、1週目終わりの最終シケインで又もレオン・ハスラムを簡単にパス。トップのDUCATIワークス2台は極端に速くて逃がしてしまったものの、今大会は不調だったとは言え、今期手の付けられない速さを見せているベン・スピースも、3位を走行していたチームメイトのマックス・ビアッジも抜き去って、初出場ながら3位表彰台を獲得してしまった。
走り方を見ると250ccと同じ操作をしている様に見えるし、リヤが横に出る事が無かったから、RSV4のバックトルクは相当殺してありそう。SBKライダーの走り方はジョナサン・レイを筆頭に、バックトルクを利用してリヤを振り出しつつワイドラインでコーナーへ進入、そのままバックトルクを利用して旋回してから再加速するもの。対して今回のシモンチェリは、マシンを起こしたまま直線的に鋭く減速してコンパクトに旋回、マシンを起こしながら加速するというGPライディングそのまま。フロントタイヤの使い方がSBKライダーと全然違うし、加速開始のタイミングが早いから、マシン性能以上にトップスピードが伸びていた。走行ラインも余さず正確。加えて、身体の大きさを活かした積極的な荷重コントロールでタイヤを路面に押し付ける乗り方は往年のミック・ドゥーハンを彷彿とさせて、終始感心しながら、ニヤニヤしながら見入ってしまった。
今回のシモンチェリの走りを見て、誰よりもショックを受けたのは、ジェームス・トスランドとトレードする形で2010年のTECH3入りが決まったベン・スピースじゃないかと思う。もしかして井の中の蛙じゃないかと疑心暗鬼になると、残りのレースで芳賀紀行を再逆転する事も難しくなりそう。
それにしても今回のシモンチェリの速さには驚いた。もしかしたら、来シーズンの活躍はデ・アンジェリス程度に留まるかもと思う気持ちがあったけど、これはひょっとしたらひょっとするかもしれない。MotoGP4強の走りはもっと遥かに洗練されているけど、逆に今回のシモンチェリの様な走りは出来ないから、だからひょっとしたら、まだ22歳のこのライダーは大化けするかも。


今年の3月に甲状腺癌の治療を受けた後、担当医から予告されていた放射性ヨード内用療法をこの9月に受ける事になった。
僕は癌治療と聞いても、脱毛だとか痩せるだとかその程度をイメージする知識しか無かったから、イメージの範囲内で何となく怖い気持ちを抱いたまま9月を迎えてしまった。具体的な治療の手順は直前の8月末に説明を受けたけど、実際に治療を終えてみて、予想以上に仕事や日常生活への影響が大きくて、率直に言って病院に対してコンプレインが沢山ある。でも、患者数に伴うあの忙しさや患者側にも多様な生活環境がある事を考えると、説明が行き届かないのも仕方が無い。インフォームド・コンセントという言葉が使われる様になって久しいけど、患者との意思疎通はなかなか難しい問題なんだと思う。
治療のスケジュールは下記の通り。
8/27(木)−28日前:服用中の甲状腺ホルモン製剤をチラージンSからチロナミンへ切り替え
9/10(木)−14日前:甲状腺ホルモン製剤の服用中止・ヨード制限食開始
9/24(木)−当日:放射性ヨードのカプセルを内服・シンチグラフィの撮影
9/28(月)−4日後:シンチグラフィの撮影(放射性ヨードの取り込み具合の確認)
9/30(水)−6日後:甲状腺ホルモン製剤の服用再開・ヨード制限食解除
甲状腺の細胞組織はヨードを取り込む性質があることを利用して、全摘後の取り残しや、見付けられない程小さい転移した癌細胞も破壊してしまおうというのが今回の治療。一定期間ヨードを摂取しないことで細胞を飢えさせておいた所へ放射性ヨードを摂取する事で、ヨードを取り込んだ細胞は数ヶ月掛けて破壊されてしまう。シンチグラフィを見ると、甲状腺を切除したはずの首元に放射性ヨードが取り込まれているのが分かる。
放射性ヨードのカプセルを飲む事や、ヨード制限食には然して苦労は無かったけど、甲状腺ホルモン製剤の服用中止の影響が想像以上に大きくて、これが想定外。考えれてみれば当然だけど、甲状腺機能低下症と同じ症状が生じてしまい、僕は特に浮腫み、寒さ、息切れ、眠気が最終的にはかなり酷くなって、階段の途中で立ち止まる、朝起きられないなど日常生活への影響が大きくて面食らった。職場での大切な時期と重なってしまい、本当に申し訳なく悔しい思いをした。「最終日にはぐったりしている方もいますね」程度の事前説明しかなかったけど、人によってかなり度合いが異なる様なので、少し説明に難しい面があるのかもしれない。
それから、放射性ヨード内服後1週間は、第三者を被爆させない為に休職が必要となる事を直前まで知らずに、この点の説明不足が最も痛かった所。
今回の治療では病院側からの依頼で、「甲状腺癌の放射性ヨード(I−131)内用療法:甲状腺全摘術後の残存甲状腺の破壊(アブレーション) − I−131 30mCi投与・退出における安全管理に関する研究 −」というものに参加することになった。通院で服用可能な放射性ヨードの量は、欧米に比べ日本国内では少量に制限されており、期待した治療効果を得られないという問題があるとの事で、これを諸外国並みの量を内服した上で経過観察するというもの。日本国内の7施設で30例採取するそうで、放射線測定用のバッジと行動調査票を提出する面倒はあったものの、患者にとってのデメリットは無く、治療効果はより高いとの事で被験者になる事にした。
今回の治療では、兎に角直前に判明した事が多くて、連休に連なる形での休職で職場に迷惑を掛けた事が悔しいけど、反面、体調面では、時期がシルバーウィークと重なったことで救われたという思いもある。毎朝飲み続けなければならない甲状腺ホルモン製剤も、服用を止めたらどうなるのか身をもって経験出来たのも貴重だった。大きな災害等で薬が手に入らなくなったらと思うと、ちょっと怖いけど、何が起こるのか知っているのと知らないのでは雲泥の違い。
甲状腺癌を患った後、全摘手術を受けて、今のところ腫瘍マーカーは測定不能なレベル。念押しで今回の治療を受けて、10月末に最後の担当医の診察を受ければ、予定されていた治療は全て完了する。
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そう言えば、この休職期間中は外出が禁止されたのもあって、丁度良い機会だからSRのフロントフォークをオーバーホールする事にした。硬いオイルで酷使していた事もあって、オイル滲みが酷くなっていたし、特殊工具も必要なメンテナンスなので、プロに任せるべくTechnixさんに送付済み。休暇に入って直ぐに預けたけど、連休で仕事が溜まっているのか、まだ返送待ち。
プロの仕事でどんな仕上がりになるのか、ちょっと楽しみ。


ここ最近、何やら急にMT−01に興味が。
普段、YZF−R1やCBRの様なスーパースポーツに乗りたいとは思わないけど、MotoGPをテレビ観戦している時に、偶に同じような車体構成のオートバイでライディングしてみたくなる事がある。でも、所有していても使い途が無いし、エンジンもシャシーもポジションも公道走行には不便極まりない。120/70−17・190/55−17の様なスペックのタイヤも乗りづらいし、維持費が掛かるだけだから、合理的に考えてしまうと手を出す気にはとても。
ただ、スパッと加速出来て、人差し指一本で止まれるレプリカで育った世代の僕としては、偶にSRとは違う、シャキッとした構成のオートバイでリフレッシュしたい気分になって、これが”次に乗るなら”という夢想の始まり。
SRで気に入っているのは多気筒と違う瞬発力。回転を上げずに走れる快感が一番の魅力。これが500ccなら、ツインの1,000ccならと想像していって辿り着いたのがMT−01。
2気筒で1,670cc、1気筒がSRの倍以上で、15.3kgf・mのトルクはSRの5倍強。車両重量はSRのたった1.5倍だから、蹴り飛ばされる様に走るのは間違いなし。更に車体の構成もスーパースポーツ的だから、フロントフォークの寝たオートバイの様に、フロントが滑って吃驚する様な事もなく、ラジアルマウントの6ポッドキャリパーは、恐らくSRより短い距離で止まれてしまうんだと思う。当然、転んだら格段に出費が嵩むはずだけど、僕は公道で20年近く転んだ事が無いから、要所を押さえて乗ればSRで飛ばすより安全だという気もする。
気に入らないのは、折角のグッドデザインが台無しのボディカラー。グレーとブラックの2種類ではあまりに寂しいし、シルバー色のパーツの配置がちぐはぐなのもどうかと思う。僕の好みに合わせてみたのが上下の画像。YAMAHAがこの状態で販売してくれたら、かなりグッと来るんだけど。
MT−01で通勤はどうかと思うけどね。


motogp.comを眺めていたら、前戦サンマリノGP終了後のバレンティーノ・ロッシのインタビューが。2011年にDUCATIへ移籍するという噂があるらしい。
ロッシ自身は、I haven’t decided yet about my future.とは言うものの、For sure it is a great dream for everybody, to see Valentino with Ducati.との事で、可能性は否定せず。
ホルヘ・ロレンソやニッキー・ヘイデンが現在のチームと1年契約を交わしたことで、HONDA・YAMAHA・DUCATIの2010シーズンの体制は継続される事となったものの、6名全てのライダーが2011年にも契約更新を迎える事になる。
来年の体制決めのキーマンだったロレンソが、結局はYAMAHAと契約した事も、そのYAMAHAがベン・スピースとSBK・MotoGPに跨る異例の契約を交わした事も、ロッシの発言を聞いて何となく合点がいった。
ロッシが自身のキャリア終盤にDUCATIへ移籍する事は前々から予測していたけど、いよいよ機が熟したのかもしれない。
ただ、実際にロッシがDesmoceditiに本気で取り組む事になったとして、RCVからYZR−M1に乗り換えた時の様に、緒戦から結果を出すのは難しいかもしれない。
マシンをバンクさせずに、繊細なコーナリングブレーキの技術でフロントの舵角をコントロールしながら旋回するロッシのライディングと、車速の乗ったマシンを、コーナーに放り込む様に一息にバンクさせて旋回するケーシー・ストーナーのライディングでは180度程も違うスタイルだから、ロッシの要件に合わせる為にDUCATIは相当仕事をしないといけなくなるはず。
マシン開発の実績からすれば、CEOに勝る発言力があるのがバレンティーノ・ロッシ最大の強み。もし移籍が実現すれば、YAMAHA RACINGの復興に続いて、現役でありながら既にレジェンドである彼の最高の仕事振りを見る事が出来ると思う。
イタリア人じゃなくても、ロッシとDUCATIの組み合わせはWGPファンの夢。
Desmoceditiに乗るロッシとストーナーの対決も見てみたいし、YAMAHAのファーストライダーになるロレンソや、もしかしたらフレディー・スペンサーの様なとんでもない走りを見せてくれるかもしれないベン・スピースにも期待大。






















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